特集「公衆衛生・危機管理とシミュレーション&ゲーミング」論文募集のお知らせ

日本シミュレーション&ゲーミング学会では、「公衆衛生・危機管理とシミュレーション&ゲーミング」と題しまして、特集を学会誌にて組むことにいたしました。会員のみなさまの積極的なご投稿をお待ちしております。

  • 特集エディタ 市川 学(国立保健医療科学院 )
    • ichikawa[at]niph.go.jp
    • 埼玉県和光市南2-3-6 / 048-458-6235
  • 重要情報
    • 掲載予定号:2015年12月号
    • 論文募集要項:学会誌「シミュレーション&ゲーミング」に準ずる
    • 投稿締切日:2015年10月31日2015年11月30日(延長しました)
    • 最終原稿締切:2015年12月15日
    • 発行予定日:2015年12月31日


疫学の分野におけるシミュレーション研究では、数理的アプローチを利用したSIRモデルが有名であり、このSIRモデルから得られるシミュレーション結果を、感染症発生時の蔓延予測とその対策の評価に使われてきました。近年では、数理的アプローチだけでなく、統計分析手法やエージェントベースのアプローチを利用したモデルが数多く発表され、公衆衛生対策の評価に活用されています。公衆衛生対策に携わる関係者が、シミュレーションによって再現される被害状況をもとに、対策案を考え、シミュレーション上でその対策案の効果を検証し、その結果をもとに対策の特徴を理解し、新たな対策案を立案することが行われています。これは、まさしくシミュレーション&ゲーミングのアプローチが取り入れられています。

このような取り組みは、シミュレーションモデルを利用するだけでなく、あらかじめ用意したシナリオに沿って行われることや、カードやボードを利用するなど、その手法は多岐にわたっています。そして、疫学の分野にとどまらず、防災や災害対応など危機管理や公衆衛生の分野に幅広く導入されています。

一方で、公衆衛生・危機管理の分野におけるこのような取り組みが、ゲーミング&シミュレーションの枠組みで行われているという認識は、残念ながらそんなに高くはなく、訓練という名目上のみで行われていることがあるのも事実です。日本シミュレーション&ゲーミング学会には、シミュレーション&ゲーミングを扱う学術団体として、公衆衛生・危機管理の分野で取り組まれている訓練(ゲーミング&シミュレーション)に着目し、シミュレーション&ゲーミングで培われたノウハウを還元することで、シミュレーション&ゲーミングおよび公衆衛生・危機管理の訓練の双方が発展する仲介役となることが期待されます。そこで、本特集号では、こうした仲介役への第一歩として、感染症や震災時の対応に限らず、公衆衛生・危機管理ほかの医療分野におけるシミュレーション&ゲーミングに関する研究について特集し論文を募集いたします。