一般公開シンポジウム

日本学術会議協力学術研究団体・特定非営利活動法人
日本シミュレーション&ゲーミング学会主催

一般公開シンポジウムのご案内(参加費無料)

「ゲーミフィケーションの可能性~経済も政治も文化もゲームにする」

(ゲーミフィケーションについては、NHK総合2012年1月25日『クローズアップ現代』にて紹介されています。関心のある方は、http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3147.htmlをご覧ください)

  • 期日  2012年6月2日(土) 13:30~15:30(13:15開場)
  • 場所  流通経済大学新松戸キャンパス講堂
  • 最寄駅 常磐線(千代田線)・武蔵野線・新松戸駅前
  • http://www.rku.ac.jp/daigaku/access.html
  • 司会
    • 市川 新(流通経済大学)
  • 論点提供者
    • 井上明人(国際大学)
    • 冠木新市(脚本家・アートプロデューサ)
    • 小山友介(芝浦工業大学)
    • 中村絵乃(特定非営利活動法人開発教育協会)

ソーシャルメディア革命は、多様な社会の成員に枠組みを超えて自由に集結できる場を提供しています。その中にあって、最近、ゲーミフィケーション(Gamification)への注目度が高まっています。「ゲーミフィケーション」の意味*は「個人、組織あるいは社会における実践的諸活動にゲームの知見を取り入れる」といっていいだろう。企業活動に限定されず、たとえば、東日本大震災直後に公開された節電ゲームでは、個々の家庭の電力消費減行動を起動するとともに、ソーシャルメディアは全国からの行動参加者間の共有目標の追求行動を継続させています。自動車には、より安全でエコである運転技術行動を実践するためのゲームが組み込まれています。オバマ氏の大統領選挙運動では、支持者の行動を促進と維持するためにゲームが取り込まれてい
ます。このシンポジウムでは、発想促進とその言語化という優れた特性をもつゲーミングシミュレーションの知見から、社会の中に組み込まれるかもしれない多様なゲームとそれがもたらす人間行動の可能性を論議します。ゲーミフィケーションが社会を動かす潮流になりえるのかの会場参加者の質疑も募集することにします。

論点提供者紹介

井上明人氏は、『ゲーミフィケーション ― ゲームがビジネスを変える』(NHK出版)の著者として知られる。複数均衡、ネットワーク外部性、社会構造などが基盤となっていると思われる社会的パースペクティブが明示された唯一の邦書である。東日本大震災後の2011年3月14日より節電ゲーム「#denkimeter」プロジェクトを提唱し話題を呼んでいる。

冠木新市氏は、1991年、市川崑監督の角川映画15周年記念作品「天河伝説殺人事件」(内田康夫原作)で脚本家として知られるようになる。その後、中国放送開局45周年記念作品「マヌケ先生」(大林宣彦総監督)、舞台「奥さまは化け猫」(冠木新市原作)、「マヌケ先生」映画版、さらにシミュレーションゲーム「つくろうポンポコ理想郷」(環境省)などの脚本を手掛けている。

小山友介氏は、理論経済学(経済に関するエージェントシミュレーション)とコンテンツ産業調査(ゲーム産業)の学究である。共著『人工市場で学ぶマーケットメカニズム―U‐Mart経済学編』(共立出版)から知られるように理論と実践に精通しているため、未来との対話に強みをもつ。

中村絵乃氏は、文化・民族・宗教などを異にする世界の人々がともに生きることのできる公正な社会づくりをめざす開発教育協会事務局長として、ゲームやワークショップを積極的に取り入れ、ファシリテータとして活躍されている。「地球の食卓」「フードマイレージ」「世界がもし100人の村だったら」「貿易ゲーム」「子どもとできる創造的な対立解決」などの実践で知られる。

司会紹介

市川新氏は、1989年、日本シミュレーション&ゲーミング学会の創立に参加する。同学会設立後、理事、事務局長、会長を務める。また、社団法人コンピュータエンターテインメント協会理事、Association of Business Simulation and Experiential Learning (米国)理事、International Association of Simulation and Gaming (オランダ)評議員も務める。経済、政治、文化を含めた社会システムゲーミングの研究に従事している。現在、流通経済大学経済学部(経営学科)教授である。